浮かせる魔法のはなし

魔法での「浮く」ことに関する話。
まんがの中でエヴァンたちが「人を浮かせるのは難しい」と言ってますけどそもそもなんで難しいのか?という。
私のだいぶあやふやな知識をもとに設定していますので現実とは異なります〜これはフィクションです。

魔法で人を浮かせようとするには魔力によって反重力の作用を起こすことになります。
人の身体にかかる重力を魔力で跳ね返すイメージですね。
8話でジールが言ってるんですが浮かせること自体はできます、が、そこから思うように動こうとすればまた魔力を使って方向や速度のコントロールをしなければならないので、反重力作用と浮いた身体のコントロールを同時に行うというのがすごく難しいのです。
コントロールをしないと宇宙でふわふわしてるみたいな不安定な感じになる。
魔法というのは魔力も使うし魔力をイメージ通りに作用させるため集中力も使うので、複数の魔法を同時に使うのは至難の技なんですね。
重たいものだと反重力のために使う魔力もたくさん必要なので、人体は難しいけど軽いコップとかちょっとした荷物程度ならあやつれます。

いっぽう「跳ぶ」ことについてはジールがちょっと触れてますが、ジャンプするときに足にかける力に魔力を加えることでジャンプ力を高める感じです。
なので「飛ぶ」じゃなくて「跳ぶ」です。ずっと跳び続けられるわけではなくゆるやかに放物線を描いているのでそのうち着陸します。
トランポリンでぽーんと跳ぶみたいなイメージです。
ちなみに8話でジールがレナに「速く進めればいいけどこれが精一杯」と語ってるのですが、それはあんまりスピードを速くしすぎると空気抵抗やらなんやらで身体に負荷がかかってしまうので耐えられる程度の速度にしているのです。
ジェットコースター乗ってる時みたいになっちゃうので。
それをまた魔力で打ち消そうとするのは…前述のとおりです。

補足として、ねむミラ世界の魔法ではいわゆる「瞬間移動」はできません。
魔法とは科学なので、質量のある「モノ」を一瞬で他の場所に移動させるという物理的に不可能なことはできないのです。
エヴァンが使う「意識転移」の魔法はひとの意識をほかの生物に一時的に転送する魔法ですが、未来を身体ごと異世界に召喚することができないのも同じ理由です。
意識は質量のない「モノ」なので自由に動かすことができるんですね。
人そのものを消すことはできないけれど、記憶を消したり書き換えたりはできるのも理屈は同じです。
質量のある「モノ」は紙の書類、ない「モノ」はデジタルデータみたいなイメージです。
書類は郵送しないといけないけどデータなら通信で即送れるみたいな感じ。

ほんとは魔法って自由にいろいろできた方が物語としての可能性が高まるし絵的なアクションも広がって楽しいんですけど、ねむミラに関しては魔法にルールや制限があることに意味があるので意図的にそうしています。
ファンタジーの長所をわざわざ殺してるようなものなんですが…まあ趣味の創作だしそういう作品があってもいいかなと。

おまけ。


だてに魔法士長やってません。