第19夜あとがき

朝になれば魔法が効いているあいだの記憶は消えるのでうそついても問題なしと。

扉絵からエリオットとアイリシアです。
ようやく結ばれたので堂々とカップルとして描けるようになりました〜。楽しい。

ジュードについてアイリシアが「同情じゃない、救ってあげたい」と言っていますが、彼女が彼を救いたいと思うようになったのは彼女が彼の身体に意識転移をしたことによります。
彼の身体に移って彼の過去の記憶を自分のそれのように「思い出した」ことで、「かわいそう」という同情ではなく自分が体験したかのようにその孤独や苦しみをリアルに感じとり、その苦しみの原因が自分たちにもあったことを知ったことで彼女の中で彼や「知らなかった」ことへ罪の意識が生まれました。
そして、彼女が「幽霊」としてひとりで過ごしたことで誰にも頼れない「ひとりぼっち」の辛さを改めて痛感し、ずっと孤独に自分の力だけで生きてきた彼のことを救いたいと思うようになりました。
…というのはほんとうはこんなところで語らずきちんと本編で描くべきことかもしれないんですが、あんまりくどくど描きすぎても冗長になるかと思ってはしょりました。
なんとなく「アイリシアはジュードの孤独を理解した」ことをわかっていただければ大丈夫かなと。

それともうひとつちょっとした補足。図書館の史料が改ざんされていなかったのはアイリシアが史料室のことをまだ国王から知らされていなかったためです。
知っていたら、史料を魔法で改ざんするか史料室の扉を封印してたと思います。